めぐるぐる日々。

わたしの日常をつらつらと。

日々の、なんでもないこと。でも、なんでもあること。 かきかきしたいと思っちゃったのさ。

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バンフに来てから2ヶ月が経過し、カナダにきてから5ヶ月たちました。

バンフのほとんどの道からは雪が消えて、あたたかい日には春のにおいがする今日この頃。ハウスキーピングの仕事にも慣れて、ベットメイキングの研究に明け暮れていましたところ、久々に風邪をひきましてふらふらしておるひらしまです。手洗いうがいは徹底してたはずなのに、いつの間にか、風邪菌にやられていたそうです。40℃一歩手前まで熱がでたのに、冷えピタみたいなのもってなかったから、冷凍ご飯を顔をあたためて、冷をとりました。

朝にはいい感じに解凍されたお米たちを首にしいたまま、その日はお仕事をお休みさせてもらって、ふらふらする身体かかえながらここ数日を過ごしております。いまは声がでまへん。だからか、気持ちもなんだか寂しいきもちになって、弱気まではいかないけれど、孤独にベッドでうずくまっておりました。

喉がいがいがするよう。
身体に力がはいんないよう。

日本にいたらすぐ手に入る薬や家族の手厚い看病はここにはない。消化によいと思われる、というか風邪のときにはすぐたべたくなる梅干しうどんなんかも、つくれない。海外で風邪になると何かと面倒です。しょうがが手に入るのはありがたい。(おかゆやら飲み物やらにぶちこんでしまう。)
はやく治してしまいたい〜すぱっと切れてくれればいいのに、なかなかしつこい風邪です。こじらせて再び喘息とかにならないようにしたいんだけど、なかなか咳がとまりません。うむ〜…。

わたしが住んでる家は、わたしが働いているホテルの系列の寮で、ハウスキーパーたちの巣。ホテルは違えど、やってることはみな同じ。よって悩みもおなじ。
足腰が痛む、手や爪がぼろぼろになる、筋肉量ふえる、腹が異常にへる、いつの間にか手足にあざができてる、だとか。寮の洗濯機は25セントか1ドルしか使えないから、買い物ででたおつりとか、仕事でもらったチップを、みんな「洗濯貯金」してたりとか。
他人様の排泄物やらなんやらに抵抗なくなるし、やけに自炊や掃除の手際がよくなって。仕事のなかでは裏方のうらかたで、お客さんが汚した部屋をひたすら片付ける影の仕事だから、目立たないし、成果は目にみえにくいけど、きっと世の中には必要な仕事なんだって思うことにしている。(でもいまだに、便器につまった他人のうんこ様をブラシで流すのはけっこうきついものがある。まじで。)

寮暮らしだって、けっして楽なことじゃなく。小さな部屋に二つのベッド、一つのたんすとクローゼットを半分こして使う生活は、嫌でも「最小限の手荷物と何ももたない暮らし」みたいな一見おしゃれに聞こえる、でも実はまあまあストレスフルな生活を実践することができる。日本人同士でもいろいろ悩みやあるのに、国が違えばおのずとその違いはうきぼりになってきて、世の中にごまんとある理不尽のうちのほんとちょびっとを感じずにはいられない時もある。
自分の意識のなかでは、人種に対する偏見とかないと思ってたんだけど、意外としっかり根強く深く、それぞれの国にたいするステレオタイプを持ってるんだということを自覚させられてる。それと同時に、関わる国のひとに良い印象をもつことができたら、その国の印象もよくなるってこともわかった(単純だけど、無視できない規則だとおもう)。そのひと個人をみて、国民性を断定することは到底できないことだけど、その半面で、個人の背景にある文化や価値観のちがいがお互いの距離を保っていることも否定できないなあ〜っておもう。


まあ話はかわって、

わたしが今しているお仕事、ハウスキーピングって、ようするに家事とほとんど内容いっしょだから、家にかえってご飯つくってまた食器とか洗ってたりすると、やっぱ人間って、こういうのを繰り返して生きていくんだなあ。っておもう。作る、食べる、掃除する、排泄する。またつくって、食べて、掃除して、排泄する。どの国にいても、何人であっても、生きてるかぎり、これだけは続く。
仕事で家事をし、家でも家事をし…って繰り返してると、なんだかなあ、毎日おなじことやってんなあ〜って。他のことしたあいっって思うけど、人間の最も根幹の部分を仕事にしてるだけあって、逃げるにもにげらんので。おかあさんってすごいなあ〜て、思うよ。毎日お弁当つくってさ〜、朝ごはんも晩御飯もつくって。掃除して食器洗って洗濯もして。super womanやわ。子どもがおおきくなって、巣立ったとしても、家族は消えないし、生活の根幹は続いてく。果てしないわ〜。うん、果てしない。

4月はそんな繰り返しの毎日からふらっと離れて、「仕事」としての生活じゃなくて、自分のために、ひとのために、生活してみようかとおもいます。また来月もええ月になるとええなあ〜。
春よ〜はやくきてちょ〜だい。

 

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カナダは今日が、3.11。あれから5年。大学入学前のあの日から、ざざっとここまできちゃって、自分の身体が東北に向かうことはなかったけれど。日本の根っこのぶぶんがゆらゆらしたのと同時に、政治も経済もひとの心もゆらゆらしたあの日。忘れたい記憶、忘れちゃいけない記憶、どちらも両手に抱えてる。日本からは遠いカナダだけど、忘れないよ〜。あの日があったこと、忘れないよ〜。

 

るんたった るんたった。