めぐるぐる日々。

わたしの日常をつらつらと。

日々の、なんでもないこと。でも、なんでもあること。 かきかきしたいと思っちゃったのさ。

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バンフにきて7ヶ月、カナダにきて10ヶ月がたちました。
この前のブログ更新から何週間しかたってない。けどもう8月に入ってしまったんです。なんてこった。しかも中旬。なんてこった。いや、これは下旬か。なんてこった!

バンフは夏まっさかり!って言いたいところですが、なんやかんやで20〜25℃の気温をキープしつづけていて、天気の悪い日は10℃ちょっとくらいにしかならない日も。昼間はとてもいい天気で真っ青なお空がみえていても、夕方になると雲行きがあやしくなって風がでてきて雨がふる、なんてことも。やっぱり山なんですね。

先日、Abbot hut passに登ってきました。はじめてのお山でお泊まり。2日分の食料と寝袋と水とを担いで2925mのお山に挑戦。日本でもちゃんとした山にのぼったことがなかったひらしま。山は好きだけど、ちゃんと登って、ごはんを食べて、泊まったことがなかった。でもずっとしたいなあ、できたらいいなあって思ってたらここバンフで実現したわけです。

旅とは違って、ゴールは山のてっぺん。疲れたからって途中の宿で休めない。ひたすら自分の脚で登っていくしかない。自分にのしかかってくる荷物の重みと体の重み。だんだんバックパックと自分のからだが一個になって、きついなあ、ゴールあんのかなこれ〜…って思いながらひたすら登る。下をみたらなかなかの高さで、これ転げ落ちたらえらいこっちゃなあ…って想像しただけでも冷や汗。
でも降りるわけにはいかない。足元にある無数の石ころ。踏み出せどもふみだせども足元からくずれて前に進まないがけをひたすら上がっていく。いつの間にやら崖のふもとの人間たちはありんこのように小さい。ああ、こんなところきてしまったって思ったら、着いた。さっきまで雲でみえなかったてっぺんが、ゴールがみえて、着いた。

下山して、その日から足の筋肉痛がひどかったけど、あの景色はわすれません。
湖の青さも、山のごつごつ感も、こっから転げ落ちたら死んじゃうかも、っていう怖さも、雪のそばで寝る寒さも。山小屋の暖炉のあたたかさも、雪解け水の味も。そして、いっしょに寝袋でいもむしみたいに寝たあの夜も。すてきな仲間といけてよかったな〜ほんとに。出会えてよかった〜。

ってこのバンフの思い出をふりかえりますと。
あれだけ帰りたかったのに、バンフの自然も、バンフのともだちも恋しくって、離れるのがさみしくって。
ひたすらシーツをひきつづけたこのベットとも、磨きにみがいたバスルームともお別れかあ…なんて思ったら、シーツをひくこの腕も引き締まるというか。せっかく掴んだこのシーツひきの技を忘れたくないなあ、なんて思っちゃうから不思議です。言葉にするにはすこし複雑なんやけど、帰りたい。でも帰りたくないんです。
いま、いちばんバンフが楽しい。帰るときになって、出会うひとたちがいいひとたちすぎる。時間がたりない。えらいこっちゃー!


カナダにきて、自分はどれだけ変われただろうかとか、そもそもの目標はどうだったっけとかたくさん考えたけれど。いまわたしはとても自分の留学に満足していて、それでいて燃え尽きてしまうわけでなく、次にどうしたいかの選択肢を選ぼうとしてる。
実のところ、この留学が自分の長年の夢だっただけあって、この先の目標なくなっちゃったらどうしよう、って思ってて。で、実際そういう時期もあったとおもう。何しに来たんだっけー、みたいな。でもちゃんと、ひとつずつ見えてくる。焦ったり、迷ったり、嫌になったりしながらでも、自分のなかでいろんな選択をして、選びとって、決めてきたんだなあとおもう。

だからといって、すべての選択肢が自分に依存しているとは思わないし、自分で選択したからすべて良い方向にいくと思ってるわけじゃない。
それぞれの条件と、環境と、自分のきもちとのバランスで(なんなら自分のきもちをすべて汲み取った選択肢なんて少ないのかもしれない)、うまくいったりうまくいかなかったりする。どうがんばっても開かない道もあれば、ぱっと開ける道もある。それがおもしろい。

わたしはこの留学が実現するまでに、ずいぶんくねくねと道をいったりきたりした。自分が留学したいはずなのに、できる条件なのに、何かと理由をつけて出発を遅らせたりした。それまでは、留学したい自分のきもちを押さえつけてくる環境に文句をいって、不満をいってきたけど、いざ「留学にいける」ってなったときに怖気付いたのは自分だった。その背中を押したのは何だったかわからないけど。
ぜんぶ、自分が選んできたわけじゃない。ぜんぶ、自分が決めて、自分で成し遂げたわけじゃない。怖がった自分、失敗した自分、緊張した自分、恥かいた自分。いっぱいいた。わたし、ふつうの生身の人間。人間なんだな〜。


そんなこんなで、先日セカンドの仕事を終えて、ハウスキーピングの仕事を来週に終えようとしております。いろんなひとを見送ってきたけれど、いよいよ自分の番がきたみたい。天国からのお迎えがくるみたいな、静かなきもちで迎えようとしております。
決して、「はやかったなあ」なんていいたくないくらい濃い日々たち!残りの日も、たいせつに。

9がつまであともうすこし。

るんたった るんたった。